上遠野浩平「ヴェイルドマンの貌」

メフィスト』掲載読み切り 
ネタばれあり

冒頭の絵に残酷号の絵がある為、「これは残酷号の仮面なんだろうな」と想像が着くけれど、無かったら
『これは黒く変色したEDの仮面が空から降ってきたのだろうか?、という事は、次回の残酷号事件でEDは死んで事件シリーズも完結か…』と思ってたかもしれない。
まだ残酷号事件が出てないので、その可能性もあるのですが。

身分を隠す、本当の自分を隠す役割の仮面を被ると、心の仮面が剥れて、本当の自分が剥きだしになる、というのが面白い。

……EDの仮面にも何か秘密があるのかも。

敵意なしでは……裏社会で生きてはいけなかったか。
あたりが良い感じ。

  • 引用

『彼女はどうしても、自分でそれを使ってみる気になれないのだった。使えばきっと、色々なつまらないこだわりが消えてくれると思う。
(略)
でも、それでも__なにかが嫌なのだった。
自分の心をしばっているものに耐えきれなくなるその日までは、この自分のままで粘ってみようと、そう思っているのだった』

なかなか良い終わり方です。
こっちの方が楽なのに変なこだわりで苦しい道を選ぶ辺は分かるな〜と。