ヴァルプルギスの後悔感想『凪の敗北』

四月初め〜五月中旬ころ緒方さんのツイッターをハラハラドキドキしながら見ていたら、
5月10日ころのツイートで『昼寝しようとしたところで原稿が届いたので、読んだ。少し泣いちゃった。』
『小学四年生の女の子二人のイラストの仕事』
『手足のバランスが難しい』
『雰囲気重視のイラスト』

…との一連のツイートがあり、(これは次回のヴァルプルギスの後悔の原稿では!?)
と楽しみにしてました。

前号でヴァルプルギスが、魔法を使い、魔女ぽい闘いになりそうだな…と思いましたが、霧間凪は、ちぎっては投げ…ちぎっては投げしていました。

心理戦や過去に干渉する闘い…でSBRの『過去の嫌な思い出が襲って来る話』を思い出しました。

紙木城直子が母子家庭の子で『モンスターでクレーマーだから』とわかったり、小学生四年生の凪が一人でマラソンする話がかわいかったり…
上遠野さん、つばさ文庫で小学生の女の子が主人公の話、書いてくれないかな…

クラスでの孤立を恐れてみんな、びくびくしてる様子について、この二人が語っていたり
直子がクラス全員から吊るし上げになってて、直子の味方をすると凪がピンチのところの場面で魔女が、(紙木城直子を信じないと言ってしまえ)と誘惑してたり……


その後の紙木城直子の言葉でちょっと泣いた。
『だったら−−あんたがいくら裏切ろうが、私は私で、しっかりと存在しているのよ』
『有り得たかもしれない過去なんかどーでもいい。続かなかった未来も知ったこっちゃない。私は、今、ここで−しみったれたことで悩んでいるあんたをぶん殴ってやるために出てきたのよ』

前号でアルケスティスと(もうアルケスティスは実体がない姿)凪が会話してて
『私、もっと早くあなたに会いたかったわ−未来を信じられなかったあの頃の私の、なんとも嫌な気分を晴らしてくれたかも知れないのに』
凪『別に、取り返しがつかないってことはないだろ?』
という会話のあと直子とのエピソードを読むと、霧間凪も普通のコなんだなあ、と。

小説:上遠野浩平
イラスト:緒方剛志