BSアニメ夜話「ほしのこえ」

見ました。あれはコンパクトに25分くらいに纏められてるから良いのだ、と言う事が分かりました。背景、どうやって描いてたんだろう〜色がすごく綺麗! と思ってたのですが、あれはデジカメ写真をトレスしたのですね。 あの綺麗な色、そして背景の素材選びは新海誠氏独自の才能だと思いますが…。「雲の向こう約束の場所」のDVDメニュー画面の早朝の光線の中、山々を背景に靄の中に浮かび上がってる自販機の映像が好きです! 元々絵本を作ってらしてた方、だというのは、納得するものがありました。 ゲームのシナリオか小説を書いたりしてないとあの詩的な言葉遣い(例:ねぇ、わたし寂しいんだよ。何処まで行けばいいの? / 絶対に開かない扉を叩いたりしない事 心をもっと冷たく固く強く…等)は無理だよな、でも違う見たいだし…謎、と思っていましたので。 未来になっても携帯がモノクロ表示の古いのなのはミカコとのメールの為に、そのままなのですね。ミカコ専用携帯だったのか…。説明を極端に削った為、お互い思い合ってるだけで突然宇宙に行ったのかと思ってましたが、ちゃんとミカコとノボルは恋人同士だったようですね。
それより、衝撃を受けたのは途中のコーナーで5分の初期アニメ「彼女と彼女の猫」の解説で、「コレは短歌や俳句である」の説明で、途中によく入る日常風景の止め絵で、リアルにその人の状況を伝えている(例:一人暮らしの彼女の洗面所に歯ブラシが2つあるので恋人がいる等)の部分で、
何気なく今まで見てて気づかなかったのですが、「長い長い電話の後、彼女は泣いた」のナレーションの途中に、日付と体温の数字が書かれた折れ線グラフの表の紙と体温計のシーンがあったのですが、 最初に見た時、見過ごしていて分からなくて単純に「彼氏に振られたんだ」と思ってたのですが、この解説で意識をして見て、意味を理解した途端、あまりにも重いリアルさが心にグアッと圧し掛かってきて、鬱になりました。 新海さん、…表現する事に対しての姿勢が余りにも真摯で、うまく言えないですけど、えげつない、というか怖くなりました。