竹泡対談{初心}

今年の秋の電撃文庫のお祭りでは、上遠野浩平氏のサイン会や、公式海賊本への執筆がなくて、「今年も竹泡対談は無いんだ・・・」と思っていたら、載っていました。なので、とてもとても嬉しいです。
2008年の「とらドラVS禁書目録」以来です。
ちなみに緒方剛志氏のツイッターによると、上遠野さんのスケジュールが合わなかったとか(なずなさん情報http://d.hatena.ne.jp/Naduna/

ヴァルプルギスの後悔」原稿を落とされたそうで、竹泡の二人の会話の行間から、上遠野さんが落ち込んでいる様子が伝わってくる対談でした。

「この作者の小説なんて末端の最たるものだもんな。別にはびこっちゃいないけど、隙間に潜り込んでごそごそやり続けている、と」

うーむ、これは数十万人単位の巨大な隙間ですね・・・。

原因と思われるもの↓

私と悪魔の100の問答(講談社), 上遠野 浩平著 10月27日 (予価): \1575
http://www.bk1.jp/product/03325624?icid=T

実際に100回の問答をしてるとしたら、かなり執筆が大変そうです。

今回は、ちらっとだけ、前回の電撃文庫マガジン掲載のブギーポップの新作読切短編「お人好しのメロディ・クール」から深月さんが出張してきていました。

対談が初心という事で、泡が、二人が何者なのかについて設定から解説。

「だから不気味な泡と宮下藤花がほんとうに二重人格かどうかっていうのは、本編でも曖昧に描いてるから、その辺は断定できないんだって」

藤花・・・恐ろしい子!<<ガラスの仮面
女優ですなぁ。
確かに人格が入れ替わるにしては、宮下藤花に混乱してる様子が全然ないので、演技してる、と考える方が自然かも。
そうなると、普通の一般人の宮下藤花が、意図しない内に、別人の死神に変身する、というロマンがなくなってしまうのは、ちょっと残念。

竹田くんの師匠が竹田くんのセリフに登場。
ウィキペディアでは、スクイーズが竹田君の師匠、と誤記されているので、そろそろ本物にも登場してほしい所。
そして、会話の内容は、エコだったり幕末だったり世界的大不況だったり戦国武将だったり、だんだん時事的なことに。
”夢”が商品化されている。とは納得です。
専門学校のパンフレットとか、まさにそんな感じ。
”今”が行き詰っている話から派生して「世界の敵」の話に。
つまるところ、世界の敵というのは、「ひたすらに”今”」な存在らしい。この単語通りだと、なかなか時流に乗った存在かも。

その後の竹泡の会話の雰囲気が、既に友人→恋人を通りこして、もはや家族。
会話の通りに竹田くんを毎巻に登場させていたら、描写が、いつも仕事に追われている不憫な描写になりそうだ。

緒方氏の挿絵の、ちょっと皮肉っぽさが入った、優しい自然な表情の泡に注目。なかなか眺めていて微笑ましくてニヤリとしてしまう絵です。